「綾香の挑戦」


Written by はなもげら





『うーん・・・・・・って、おいっ朝かよ!』(ガバッ!!)
独りツッコミを入れつつ時計を見てみると朝の8時を指していた。いつもなら学校へ
行かなくてはならないが今日はちょっと違っていた。
なぜなら・・・・・・
「うううん・・・私の酒が飲めねぇだとぉ・・・むにゃむにゃ」
どんな夢を見ているのか(大体は想像つくけど)すっかり俺ん家に馴染んでいるよう
だ。綾香と俺が付き合うようになってから時々、綾香は家に嘘ついて泊まりに来るこ
とがある。それがまさしく昨日だったのだ。
『おい!綾香いいかげんに起きてくれ!今何時だと思ってんだ!』
「うーん・・・いい度胸ねぇ・・・ふふ・・・むにゃむにゃ」
いっこうに起きる気配が感じられない。それでも俺は諦めずに
『綾香!セバスチャンが来たぞ!』(ハッタリをかましてみる)
「浩之・・・覚悟しなさいよぉ・・・うーん・・・」
全然話を聞いていないらしい・・・。それどころか夢の中で綾香につがれた酒を断っ
ているのはどうやら俺らしい・・・・・・。
『綾香!学校はどうすんだよ?・・・おい!』
「うっん・・・浩之、誰が私のパンチよけて良いって言ったのよ・・・」
『・・・・・・』
『・・・・・・!』
俺は綾香を起すため(?)に、ある作戦を企てた。
その名も【シンデレラちゅうでお目覚め大作戦】である。
俺は寝起きの悪い綾香に突然キスをした。
「・・・。・・・・・・!!」
綾香は突然のキスに体をビクッっとさせる。それでも俺はお構いなしに舌を入れる。
綾香は目を閉じたまま今度はピクリともしない。
(コイツ本当に寝てんのか・・・?)っと俺が半ば諦めかけキスをやめようとした瞬
間!
「つんつん・・・」
俺の舌に綾香の柔らかい舌の返事が返ってきた。俺もムキになり、そのまま続けてい
ると綾香の舌がどんどん俺の舌に絡みついてくるのが分かった。そこで俺は突然キス
をやめ綾香が掛けていた布団を取ると
「きゃっ!!」
綾香が驚いた声をあげた。
『綾香・・・お前なぁ起きてんじゃねえかよっ!』
俺はちょっと怒った素振りを綾香に見せた。
「あらっ・・・浩之おはよう・・・・・・へへ」
綾香は気まずい顔して俺に朝の挨拶をする。
『・・・・・・』
俺は無言だ・・・。
「浩之・・・?」
綾香は不安そうに上目遣いをしてみせた。俺がこんなにも急いでいたのには理由が
あった。そう、ただでさえ俺は人の家の娘さんを預かって(?)
るのに綾香が学校を無断欠席したら綾香本人が家の人に怒られちまうし、いざという
時に俺との付き合いを認めてもらえなくなっちまうからな(まだ来栖川家には極
秘)。
俺は静かな口調で言う。
『綾香・・・ちゃんと学校行けよ・・・?』
「・・・」
『綾香・・・?』
「どうして?こんな日くらい浩之と一緒にいたいよ!」
俺は綾香の言葉にドキッとなる。それでも俺は
『学校行かなきゃ綾香が怒られんだろ?俺が怒られんなら別にいいけどよ・・・。そ
ういうわけにはいかないだろ・・・?』
「・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・』
長い沈黙が続いた・・・。
「・・・・・・ぷっ!」
綾香が急に吹きだす。そして咳をきったように笑い出す。
「ふふふふふふふ、はははははは!」
俺は綾香がなぜ笑い出したか分からずオロオロと戸惑っていた。すると
「浩之!今日は祝日の振替休日なのよ?それでも学校へ行く気?」
俺は綾香のその質問にただポカーンと立ち尽していた。
そして綾香は笑みを浮かべ何事もなかったかのように「どっこいっしょ」っとババく
さい掛け声をかけベッドの中に潜り込んでいく。(ホントに来栖川家の娘かよ!
?)っと心の中で思ってしまった。俺はなんとなく
『・・・なぁ?綾香まだ起きないのか?』
綾香の反応は・・・薄い・・・・・・。
「・・・・・・うん。学校じゃないし・・・。」
『うっ・・・』
俺は綾香の言葉に止まってしまった・・・。俺はしばらく考え込んでいた。
(確か俺がトイレで見たカレンダーにはそんなこと・・・あ!カレンダー取り換える
の忘れてた!!くそっ、とんだ恥かいたぜ・・・。)っと頭の中で浩之は自分が間違
えた原因をついに掴んだ。
(こうなったらトイレのカレンダー取換えに行くかな・・・)
『よっと・・・!』
浩之が立とうとした時
「・・・うーん」
綾香が寝返りをうったようだった。
『ホント寝つきがいいなぁ・・・。』
浩之は目を細くして綾香の頭を優しく撫でた。
『早く起きろよ・・・?せっかく2人でいるのに俺一人みたいで楽しくないだろ?・
・・せっかく綾香と一緒にいるのによ・・・。』
「・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ特別起きてあげる・・・。」
『えっ!?綾香・・・お前起きてたのか?』
俺は今のセリフを聞かれてちょっと恥ずかしくなってしまった。そして綾香も顔を
真っ赤にして
「・・・浩之の・・・その顔で・・・ねぇ?言われると・・・なんか・・・その・・
・なんていうか・・・・・・その顔に弱いのよね・・・」(モジモジ)
『聞いてたのか・・・?』
こくん(芹香先輩じゃねえんだから・・・)
『まっ、まあいいや・・・。とにかく、おっ起きろよ。』
声が上擦ってしまったぁ〜。なに恥ずかしがってんだよ!俺は!
「うん・・・、さっきの続きしてくれたら・・・いいよ・・・。」
さっきの・・・?ってまさか・・・キスのことか?!綾香・・・やり手だな。
『朝っぱらから・・・良いのか?』(俺はいつでもやりたいけどよ・・・)
「私、低血圧だし・・・(?)」
綾香・・・意味深だぞっ!
『綾香・・・。』
俺は優しく綾香にキスをした。柔らかい唇・・・キスだけで変な気分になってくる。
「浩之・・・んっ・・・んん。」
舌を入れると綾香もそれに応えて絡まってくる・・・。不思議な感覚だ。
『綾香・・・。』
俺は綾香の唇から頬へ、そして首筋に舌を這わせる。
「あっ!・・・イヤっ・・・うっん・・・・・・」
そこは綾香の弱点らしく綾香は俺が舌を這わせる度、ビクビクっと軽く跳ね上がる。
俺の背中に手をまわし必死にしがみつく。俺はそんな綾香が可愛くていじめたくなっ
てしまう。
『綾香・・・イヤならやめるか?』
と言って動きを止めてしまう。すると綾香は
「・・・浩之のバカ!なんでそういう意地悪するの!・・・本当は分かってるクセに
・・・」
綾香はほっぺを「ぷぅ」っとふくらまして、あっちを向く
『綾香ごめん、嘘だよ。ただ綾香がすごく可愛くていじめたくなっちまったんだ・・
・すまん。』
お詫びに綾香を後ろから抱きしめると綾香は
「・・・浩之、大好き・・・」
『俺も綾香のこと綾香に負けないくらい大好きだぜ?』
「・・・・・・」
その言葉に綾香は耳まで赤くして浩之がまわした手を
「ぎゅっ」っと握りしめた。そして浩之がそのまま綾香の大切な部分に手をやると
「あっ!?」
『綾香・・・こんなに感じてたんだ・・・。こんなになってるぜ?』
「浩之のえっち・・・。あっ・・・くっ・・・ううん・・・」
抵抗すわけでもなくすんなりと指が入った。
『綾香、胸もこんなになってる・・・』
「えっ!・・・あっっ」
胸の先端に軽く歯を立てた。
「ああっ!・・・うっん!・・・んんんん」
『綾香・・・俺、綾香を感じたい。そして綾香とひとつになりたい・・・』
「んんん・・・私も浩之を早く感じたい・・・」
綾香の中に入れてた指を抜き、今度は自分自身が綾香の中へ入る。
『綾香・・・好きだぜ?』
「私も・・・・・・好きよ・・・んんんんっ・・・はあっ・・・」
綾香の中は熱くて、なにかが絡まってくるかのようだった。今日が初めてってわけ
じゃないのに・・・綾香の中はすごい気持ちのよさだった。
『くっ・・・』
「んんんっ・・・・・・ああああっ」
『綾香・・・。綾香の中すごく気持ちがいい」
「私も・・・す・・・すごく気持ちいいよぉ」
『綾香・・・。愛してる・・・すごく愛してる。大好きだ・・・綾香』
綾香の手を強く握る。
「浩之、大好き、大好き!・・・愛んっ・・・愛してる!」
浩之の手を握り返す。そして綾香は
「もう・・・もうだめだよ。んっ・・・ああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああっ!!」
『あっ綾香・・・!』


「浩之ごめんね!また私だけイッちゃって・・・・・・」
『ああ?なに気にしてんだよ?俺は綾香に気持ち良くなってもらえればそれで十分な
んだぜ?だから気にすんなって!』
「浩之・・・」
(俺そういえば綾香としてから全然イってねえ・・・。まあ綾香の気持ちいいって顔
見れるだけで幸せだけどな・・・。)
「・・・・・・・・・」
『綾香どうした?』
「あのね・・・私こうやってる時が一番安心するんだ。」
『こうやってるって・・・』
俺が仰向けに寝ている状態で綾香がそれに重なっている状態のことである。
「なんか分からないけど落ち着くのよね」
『俺もなんか落ち着くな・・・』
「身体を重ねあっている時も「もうこの人はどこにも行かないって、ひとつになって
るんだ」って安心できるけど、この安心感はそれとは違う安心感なのよ。」
『第二の安心感っていうか落ち着ける場所ってやつか?』
「ふふふ、そうね。そんな感じね、きっと・・・」
ふいに2人の目が合い、綾香が浩之の唇にキスをする。浩之は『フ』っと笑い
『たまには一日中ベッドの中で過ごすってのもいいかもな・・・?』
「そうね・・・。私、低血圧だし・・・ありがたいわ」
『・・・でも普段はちゃんと起きてんだろ?』
「浩之と一緒にいる日はスイッチを切り替えてるのよ!クスクス・・・」
『なるほど・・・ザ・ワールド』
「・・・・・・・・・寒っ!」
『・・・綾香これからも、ずーっとずっと一緒にいような・・・?』
「なによ?突然・・・。」
『・・・なんとなくだよ。・・・・・・綾香、顔真っ赤だぜ・・・?』
「・・・・・・・・・・・・バカっ!」
照れくさそうに綾香が口を開いた
「・・・・・・ねえ浩之?・・・もう一回しよ?」
『この好きもの(笑)』
「今度こそ浩之を・・・ううん、一緒に・・・!」
『別に気にしなくていいんだって、俺はこれ以上もう何も望まない。今が幸せ過ぎて
恐いくらいだぜ?』
「それは・・・私も・・・。浩之と・・・ずっと一緒にいたいもん・・・」
『お互い・・・顔が真っ赤だな・・・・・・。』
「ふふふ、そうね」

綾香の挑戦は続く・・・
PS:絶対に浩之をイかせてみせるわ!待ってなさい浩之!




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