(Leaf Visual Novel Series vol.3) "To Heart" Another Side Story

for 「本日のお題」

 

「年越し」

Episode:神岸 あかり

 

Original Works "To Heart"  Copyright (C) 1997 Leaf/Aqua co. all right reserved

written by 神無風雅

「ぴんぽーん。」
おっ、来たか。
「浩之ーーーっ、あかりちゃんが見えたわよーーーっ。」
へいへい。

12月31日、水曜日。
夜、オレはこれから、あかりと初詣に行くことになっている。
言い出したのはあかり。
「浩之ちゃんと新年も迎えたいねーーー。」
だそうだ。


つい一週間前、さもお約束のようにオレたちは一夜を共にしたばかりだが、まったく、女というやつは、どうしてこうイベントが好きなのだろうと思う。
事実、今年の春にあかりとつきあい始めて以来、やたらと一緒に過ごす時間が増えたようだ。
今年は修学旅行もあったが、夏休み、花火大会、宿題、文化祭、体育祭、テスト勉強、そしてこの前のクリスマスと、なにかとイベント続きで、オレは正直食傷気味であるのだが、そのたびそのたびのあかりの喜ぶ顔を見ていると、つい微笑ましくなってしまうのも、また事実である。
だから今日、初詣にも付き合うことになってしまったのだが、45日後にはバレンタインデーも控えている事を考えると、つい気が重くなってしまう。
まぁ、よそ様に言わせれば、嬉しい悩みと言うことになろうが、本人の身にもなって欲しいもんだ。


部屋から階段を下り玄関に出ると、そこには晴れ着を着たあかりが待っていた。
「こんばんは、浩之ちゃん。」
あかりのいつもの笑顔。
「おう、あかり、今日も綺麗だな。」
この頃は、オレもこれぐらいの台詞なら言えるようになった。我ながら大した進歩だと思う。が、
「…………」
ここであかりが照れるのは相変わらずのようだ。まぁ、かわいげがあって良いが、いつまでも突っ立ってるのもなんである。
「ばーか、ほれ、行くぞ。」
「う、うん。」
とりあえず、あかりを急かして家を出た。



あかりの希望で、今年は学校の裏の神社に行くことになった。
ここ数年、初詣と言えば、あかり、雅史、志保と4人で、ちょっと離れたところにある大きな神社に行くのが定着していたが、
雅史はともかく、あの志保までが“邪魔しちゃ悪い”とか言ってくれて、
あかりも、
「今年はゆっくりしたいね。」
ということで、恐らく誰もいないであろうその神社に、二人で行くことになったのだ。


学校の裏、小高い丘になっているところに、その神社はある。

情けない話、この春までオレはその神社の存在を知らなかったのだが、
1年生の松原葵ちゃんが起こした『エクストリーム同好会』に、このオレが勧誘され、見学に来て下さいということで行った先が、その神社だった。
以来、たまに葵ちゃんの練習を見に行ったり、葵ちゃんのいない月・水曜には、あかりとデートなんかもした。
実は、今日もしっかりデートのつもりで、用意は万全である。



ごーーーん。
近くの寺で突いている除夜の鐘が聞こえる。
「昔は、一緒に鐘突きに行ったよね。」
「あぁ、そうだな。」
「いつから行かなくなったんだっけ?」
「オレがやぐらから落ちてからだよ。」
小さい頃は、あかり、雅史と三人で、その寺に鐘を突きに出かけたものだが、
そこの鐘は小さいやぐらの上にあり、いつだったかオレが鐘を突こうとした際、勢い余ってやぐらから落ちてしまった、まさに痛い経験がある。そこであかりがわんわん泣いてしまって、それ以来オレたちはそこへ鐘突きに行ってなかったのだが、
「また、鐘を突いてみたい?」
「いーや、もうこりごりだ。」
トラウマにならない方がおかしい。オレは即刻却下した。





さて、神社には着いたが、まだ時間がある。
「浩之ちゃん、まだ時間があるね。」
「そーだな。」
ごーーーん。
除夜の鐘が聞こえる。
「…………」
あかりが真っ赤になってうつむくのは、いつもの合図。
オレたちは神社の裏へまわった。



「あかり、寒くないか?」
「うん、少し」
秋ぐらいまでは、たまにここで“する”こともあったが、寒くなってきてからは、あかりに風邪をひかせるわけにはいかないので、この場所で“する”のは久しぶりだ。
とはいえ、今は冬の真夜中、しかも今晩のあかりは晴れ着姿である。実際はかなり寒いはずだ。
「でも、浩之ちゃんに晴れ着姿を見てほしかったから…」
あかりが、寒さをしのぐかのように寄り添ってくる。
そこでオレは、ちょっと強めに抱きしめてやる。
寒さで赤くなった頬、それでいて真っ白なうなじ、
着物でさらに強調された、柔らかそうな体のライン。
見慣れない格好のせいか、今日のあかりはとても色っぽく見えた。
「浩之ちゃん…」
あかりが、オレの目をじっと見つめる。目はすでに潤んでいた。
オレは、目を閉じ、静かに唇を重ねた。

ごーーーん。
「………」
「んっ…」
あかりの舌が、オレの舌に心地いい。
オレは、あかりが落ち着いたところで、唇を離し、後ろに回って、あかりの着物をまさぐってやる。
「あっ…」
晴れ着の生地の柔らかさが、あかりのやわらかさを引き立たせてくれる。
オレは、胸に手を差し込んだ。
と、
今、気がついた。
あかりは、ブラを着けていなかった。
「あかり」
「なに? 浩之ちゃん」
「下着はどうした」
「着物には、普通着けないんだって」
そう言って、あかりは“えへっ”と微笑んだ。
確かにその通りなのだが、実際目の当たりにすると、もうドキドキもんである。
…ということは、当然、下も………。
オレは、なにげに確かめてみた。
「あ、あかりー」
「だ、だって…、浩之ちゃんに………喜んでほしかったから………………」
また、あかりが、顔をもじもじさせている。
そんな、あかりの表情が、可愛く、また嬉しい。
「………あかり、サンキュな」
「う、うんっ」
あかりが、元気に頷いた。

ごーーーん。
オレは、愛撫を続けることにする。
右手は胸に差し込み、すでに堅くなっている乳首を、親指と人差し指できゅっきゅっと弄びながら、
乳房を、ふにふにと、優しくもんでやる。
「ん…っ」
左手は、おなかから下、下腹部、太股と、
着物の上から、時間をかけて、ゆっくり、すりすりとさすってやる。
「あ、ああっ…」
そして、頃合いを見計らって、その左手も、下腹部あたりで中に差し込む。
やはり、恥ずかしい部分もまた、しとどに濡れ、花びらを押し広げると、くちゅっ…と音がするかのよう。
「ひ、ひろゆきちゃぁん………」
人差し指を花芯に持っていくと、包皮もめくれてしまっていた。
オレは、手のひらを使い、静かに、優しく、でもだんだん大きく、恥ずかしい部分をさすってやる。
くちゅっ、くちゅっ…、くちゅっ……、くちゅっ………。
「あ、ああっ、ああああっっっ………」
あかりが、あらぬ声を出しながら、こっちを見る。
「ひろ…、ひろゆき…、ひろゆきちゃぁーーーん!!」
「!!」
ぴゅっ、ぴゅっ…、ぴゅっ……、ぴゅっっ………。
と、あかりの中から、聖水が吹き出してきた。
あかりは、もうすでに、高まっていたようだった。

ごーーーん。
「………」
「………」
あかりがイッたあと、しばらくは、二人で見つめ合っていたが、
そのうち、さも不満そうに、あかりがオレを見つめて、一言。
「浩之ちゃん…、わたしだけ先にイカせて……、ずるい。」
「ず、ずるい!?」
「だって…、わたしはいつでも準備できてたんだよ。それを…、浩之ちゃんは………」
「わ、わかったよ…」
なんか、あかりが、すっかりHになってしまっている。オレのせいか…。く、くうっーーー!!
オレは、あかりの正面に向き直り、着物の裾をおもむろにめくる。
「や、やぁだっ」
中は、あかりの恥ずかしい部分はもとより、太股から下、足先に至るまで濡れぼそち、
それが、夜空の光に照らされ、きらきらと光っていた。
「綺麗だよ、あかり」
「や…、やっぱり……、恥ずかしいよ………」
“ずるい”とか言っといて、それはないだろう。
オレは、ズボンのジッパーをおろし、元気なモノを取り出す。
そして、それを、あかりの恥ずかしい部分に持っていき、ゆっくりと挿入する。

ごーーーん。
「あっ…」
…ずぶ、ずぶっ、ずぶずぶっ。
オレのモノが、少しずつ、でも吸い込まれるように、あかりの中に埋まっていく。
「あっ…、ああっ……、あああっ………」
一度イッた後ということもあり、あかりの中はすでにぬるぬるで、
オレのモノには、きゅっきゅっと、熱い襞が絡みつく。
やがて、オレのモノが、膣口にこつんと当たると、
あかりは、潤んだ瞳で、オレを見つめる。
「浩之ちゃん…、気持ちいい……、気持ちいいよ………」
あかりのあそこが、急に締め付けを増した。
これはまずい。また、あかりに、先にイカれてしまう。
そうなると、またなにを言い出すか、わかったもんじゃないので、とりあえず、宣言する。
「あかり、動くぜ」
「うん、来て、浩之ちゃん」
オレは、律動を開始した。
あかりが、すでに高まっているので、始めっから、ピッチを早めていく。
ずっ、ずっ…、ずっ……、ずっ………。
「あっ、あっ…、あっ……、あっ………」
オレの動きに合わせて、あかりがさえずる。
ずっ、ずっ…、ずっ……、ずっ………。
「ああっ…、浩之ちゃん…、わたし……、もう………」
あかりのあそこが、さらに締め付けを増す。
いよいよまずい。オレは、モノに気をやる。間に合うか?
「あっ…、あああっっ………、あああああーーーーーっっっ!!」
あかりのあそこが、ぎゅっと締まり、びくびくと小刻みに痙攣する。
と、同時に、
「うっ!」
…びゅっ、びゅっっ、びゅくんっ。
あかりの中で、オレの熱いものがほとばしる。どうやら、間に合ったようだ。



終わっても、オレたちは、繋がったまま、互いを見つめ合っていた。
「浩之ちゃん、ごめんね。なんか、急がせちゃったみたいで」
「いや、いいんだ。オレは、あかりが気持ちよくなってくれれば」
「そう言うわけにはいかないよ。わたしは、浩之ちゃんにも、気持ちよくなってほしいんだから」
「じゃあ、急かすなよ」
びしっ!
「あうっ!」
オレは、指で、あかりのおでこをはじいてやった。
でも、あかりは、さも幸せそうに、
「そうだね。今度は、一緒にイこうね♪」
と、オレに、しがみついてきた。
どうやら、あかりはマジで、Hになってしまったらしい…。

そして、気がつくと、除夜の鐘はとっくに終わっていた。
煩悩は………、払えたのだろうか。





気がついたら、12時15分前だった。
あかりはそそくさと着物の着付けを直し、
オレは、持ってきたポケットラジオを神社の縁側に置き、スイッチを入れる。
そして、そのままあかりと縁側に腰掛けて、こっちに抱き寄せる。
「浩之ちゃん、カウントダウンをやりたかったの?」
「まーな。」
「だったら、もっとにぎやかな場所の方が良かった?」
「いや、今年はあかりと新年を迎えたかったからなー。それに……、」
「それに?」
「二人っきりでもなきゃ、さっきみたいなことできねーだろ。」
「うん……、わたしも浩之ちゃんと二人で正月を迎えたかったんだ。」
「………」
さっきのことを思い出し、オレは、不覚にも真っ赤になってしまった。
「………」
「………」
なにげに、二人で見つめ合ってしまう。
再びいい雰囲気。
オレは、あかりと、唇を重ねる。
と、そのとき、
ピカッ!
カメラのフラッシュのようなものが光った。

オレはとっさのことで怯えるあかりを、すぐさま後ろ手に隠し、
「だれだっ! 出てこいっ!」
怒気たっぷりで牽制する。
すると、フラッシュが焚かれたらしき草むらから出てきたのは……、
「はーい、ひろ、あかり。」
「ははは……、見つかっちゃったね。」
志保と雅史。しかも雅史の手に握られてるは、使い捨てカメラ。
「おまえら……、邪魔しちゃ悪いとか言っときながら……、覗きかよ。」
オレが、怒り半分呆れ半分で言うと、
「なによ、あんた方がまたぎくしゃくしないように見張っててあげたんじゃない。」
「二人があんまり綺麗だったもんだから、つい……。」
雅史の言い分はともかく、志保は開き直ってしまった。この女は……。
「それに言っておくけど、あたしたち、神社の裏までは行ってないからね。」
「うっ……」
それを言われると辛い。とたんに、オレたちは真っ赤になる。

「ま、まぁまぁ、とりあえずこれは、記念写真として二人に進呈するからさ。」
と言って雅史は、使い捨てカメラをオレに差し出した。
オレは、それをひったくり、
「もう、こんな馬鹿なまねするんじゃねえぞ。」
と釘をさす。
「うん、わかったよ。」
「はいはい、あつあつなのはよーくわかったわよ。」
二人は渋々承諾した。すると、
「まぁまぁ、浩之ちゃん、二人とも悪気があったわけじゃないんだから。」
と、後ろからあかり。
「さっすがあかり、いやー、やっぱり持つべきものは友達よねー。」
「お前は、調子良すぎ。」
志保の言葉に、オレはすかさずつっこみをいれた。
「浩之、もうすぐカウントダウンだよ。」
雅史の声。オレは再びラジオをつける。
「結局、今年も4人で正月を迎えるのか……。」
「まぁ、これもいいじゃない。」
「ははは……」
「なによ、あたしたちと新年迎えるのが、そんなにイヤなの。」
四人四様。
そして、ラジオからはカウントダウンの声。
「4、3、2、1、」
「ゼローーー!!」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」
と、ラジオ。続いて、
「おめでとー。今年もよろしくね♪」(志保)
「おめでとう。今年もよろしく。」(雅史)
「おめでとさん。今年もよろしくな。」(浩之)
「おめでとう。今年もよろしくねー。」(あかり)
これまた、四人四様。

こうして、オレたちの新年は始まった。





1月8日、木曜日。
今日から3学期だ。
また授業授業の日々が始まるのかと思うと、
まるで今日の雲行きのように、気分がどんよりしてくる。
そーいえば、天気予報で、明日は雪だとか言ってたな。

「おはよう、浩之ちゃん」
家の前で、あかりが待っていた。
「今日から、3学期だね」
「そーだな」
「…どうしたの」
「いや、ちょっと気が重いだけだ」
「ふふふ」
相変わらず、あかりにはなんでもお見通しのようだ。

「浩之ちゃん、あした雪だって」
「らしいな。たくさん降ったら、雪合戦でもするか?」
などと、話をするうちに学校の前、なにやら賑わっている。
「浩之ちゃん、あれ、志保じゃない?」
よく見ると、志保が校門前で何か配っている。
「オース、志保。ついにティッシュ配りでも始めたかー」
と、配られてるモノをよく見ると……、
「志保ちゃんニュース 号外」
と銘打った紙切れのTOP記事に、なんとオレたちのツーショットが載っかっていた。
しかも、しっかり、あのときの“キスシーン”だ。

「おはよう、ヒロ」
「のんきに“おはよう”ぢゃねーよ。なんだよ、これは。」
「見ての通り、あんたたちのツーショットよ♪」
「…ってことは、雅史が持ってたカメラは、ダミーか」
「あたりまえじゃない。この志保ちゃんがあーんなおいしいニュース、ほっとくわけないじゃない」
さも誇らしげに、志保。
「テ、テメーーー!!」
オレが志保に飛びかかろうとしたとき、ふいに制服の袖をきゅっと引かれた。
「浩之ちゃん、…いいよ」
あかりが、顔を真っ赤にしてうつむき、さらに、大胆に腕にしがみついてきた。
「志保…、ありがと」
「お、おい、あかり… いいのか?」
「うん… わたし、志保の気持ちもわかるから…」
「ち、ちょっと、あかり… あんた、なに言ってるのよ」
なぜか、あかりの一言で、志保がうろたえてしまった。おそるべし、あかり。
「あ、あたしは、ただ、ヒロのうろたえる顔が見たかっただけなのよ。か、勘違いしないでよねっ」
あの志保が、顔を真っ赤にして弁明している。
「なに照れてんだよ」
「照れてなんかいないわよ!」
オレには、志保のその様子が、少しだけ可愛く思えた。気のせいだろうか。

「浩之ちゃん、行こっ」
「あ、あぁ、そうだな」
いまや一人で興奮している志保を校庭に残し、オレたちは校舎に向かう。
そういえば、今日は始業式だった。



その日のあかりは、終始上機嫌だった。

-fin-

-あとがき-

ど〜も♪ 神無風雅でございます〜‘/(゜▽゜)’。
なにやら、とんでもない「処男作(笑)」になってしまいました。
一応、18禁で仕上げたつもりですが、ちゃんと、Hに仕上がってるでしょうか(汗)。
また、あかりSSになっているでしょうか(^^;ゞアセアセ。
ご感想、お待ちしております(縛)。

そうそう、うちのサイトにも掲載してますんで、よろしければ、遊びに来て下さいね♪

それはそうと、こんなのを“ここ”に載せてしまってもよろしいのでしょうか。(^^;ゞアセアセ

神無風雅 Jan 1998


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