5月の始めにあかりと結ばれて以来、今まで以上にあかりが家に来る回数が多くなった。
お互いの両親も、ある程度予想していたのだろう。俺達が付き合い始めたと告白すると、
「あら、やっとなの?」と、拍子抜けするような返事が返ってきたのだった。
晴れて親公認のカップルとなったので、あかりは以前のように行き先を偽ること無く、
俺の家に来ては、夕飯を作って泊まっていくことができるようになったのだ。
そんな訳で、今日もあかりが夕御飯を作ってくれると言うので、一緒に帰ることにした。
その学校からの帰り道の途中で、あかりが訊ねてきた。
「ねえ浩之ちゃん、なにが食べたい?」
俺はちょっと考えてから、
「…そうだな。…じゃあ、○体盛り」
「えっ?」
それを聞いたあかりは、目を丸くして固まってしまった。
「ほら、肌の上に刺し身を盛り合わせるってヤツ」
当然ジョークのつもりで言ったのだが、あかりは困った顔をすると、
「でも、体温でお刺し身が温くなっちゃっておいしくないし…、私がお皿になったら
ちゃんと料理できないよ……………」
と、真面目にそう言うのだった。俺は、ちょっと呆れながら、
「って、素で返すなっ」
「あっ…」
あかりの頭を軽く「ぺちっ」と叩きながら、ツッコミを入れる。
「ったく、んなもったいねー事するはずないだろ?」
「そ…そうだよね。じゃあ浩之ちゃん、なにが食べたい?」
それを聞いてホッとしたあかりは、気を取り直してもう一度聞いてくるのだった。
そんなあかりに、もうちょっと悪戯してみたくなった俺は、
「…そうだな。…じゃあ、わ○め酒」
「えっ?」
すると、また、あかりは目を丸くして固まってしまった。まったく、可愛い奴だなぁ。
「ほら、あかりの足と足の間にな……」
さすがに道の真ん中で大きな声で説明する訳にもいかないので、俺はあかりの耳元に
口を近づけると、詳しく説明する……
「そ、そ、そ、そんなのできないよぉ……」
それを聞いたあかりは、顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに頭をふるふる振りながら
そう言うのだった。
「ばーか。未成年が飲酒するわけねーだろ?」
「も、もうっ…ひろゆきちゃんったら……」
あかり、ホント可愛い奴だよなぁ…俺はそんなあかりの反応に、今すぐ抱きしめたい
気分になってしまってきていた。
「そ、それで浩之ちゃん、本当はなにが食べたいの?」
「それは………あかり! お前だっ!!」
「えっ!?」
俺はあかりに抱きつくと、そのまま一気に唇を奪った。
最初はビックリした顔をしたあかりだったが、次第にとろんとした表情になると、
積極的に舌を絡めてくる……。
「あんっ…だ、ダメ…ひ、ひろゆきちゃん……こ、こんな所で………」
しばらくしてお互いの唇が離れると、頬を赤く染めぽうっとした表情のあかりは、
潤んだ目で俺を見つめてくる…。俺は、そんなあかりの耳元に口を持っていくと、
彼女の可愛らしい小さな耳に「フッ」と息を吹きかけながら
「あかり……愛してるよ………」
「あふぅ…ひ、ひろゆきちゃん………わ、わたしも……浩之ちゃんのこと………
大好き……だよ」
「ああ……あかり………もう離さないからな……………」
俺とあかりは道の真ん中で抱き合ったまま、再び唇を激しく求め合う……………
「って、あんたら天下の往来で、ナニやってんのよっ!」
………………………ごすっ!
俺は薄れゆく意識の中で、呟くのだった。
し、志保………鞄の角は…………死ぬほど痛いぞ………………………
終
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あとがき
こんにちは。レイです。いきなりですけど下品でごめんなさい <(_ _)>
女性蔑視をしている訳ではありませんので、ご容赦のほどよろしくお願いします。
さて、あかりちゃんということで、「To Heart」を始めた頃はあかり萌えだった
のでいいネタが思い浮かぶだろうとタカをくくっていたんですが………………
か、書けない(T_T)
いや、何を書いてもマルチとセリオの二人が話に絡んできてしまって(^^;
というわけで、途中まで書いていた初詣晴れ着ネタと、水着ネタをボツにして、
急遽一発ギャグちょっとエッチネタになってしまいました(苦笑)
というわけで、深く考えずに読んで、笑ってもらえれば幸いです。
結局は、トコロ構わずいちゃついてる二人を書きたかっただけなのです(笑)
次のお題は、今まで以上に力を入れる予定です(^^;
だって、次のお題は彼女ですから…
それでは、また。
レイ rei@pa2.so-net.ne.jp