そういやこのゲームって脱衣麻雀向けのシチュエーションでもあるよなーと
か思いつつ面子を集める事にする。物置の掃除はすでに忘却の彼方。
まずは志保。カマかければ絶対ノッて来るだろうと踏んでいたのだが、どう
いう訳かピッチに出やがらねぇ。ちっ、要らない時にはしゃしゃり出て来るく
せに、肝心な時に居留守使うとわ…
代りにあかり。一応ルールと役は知っている。しかしタコ。他人の捨て牌な
んか見やしない。おまけに点数計算が出来ないと来た。
それで呼んだのがセリオ。生けるルールブック(笑)。たぶん公式ルールから
重役レートの超インフレ青天井ルールまで何でもござれだろうし。ただし…強
敵(^^;)。
後はオレとマルチ…で一応揃ったな。んじゃ始めっか。
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なお、呼ばなかった人選と理由は以下の通り。
芹香せ〜んぱい:が麻雀を知ってるとは思えない。知ってたとしても、
「………」
「え?あ、はいはいこれポンね。こらマルチ、先ヅモするんじゃない!」
「ほえ?(呆) …で、でも聞えなかったですー」
となって大混乱。最大の理由は、『どうせ電話を取り繋いでもらえない』
って事。
来栖川綾香:も同じ"最大の理由"。麻雀くらいは知っていそうなんだが…
智子いいんちょ:オレは大坂ルールの三人麻雀を知らない。
(「大坂ちゃう!神戸や!!」)
レミィ:オレはカリフォルニアルールの以下同文。丁度今、日本に居ないし。
理緒ちゃん:こらこら勤労学生を悪の道に引きずり込むんじゃない(^^;)!
でも、いちおー麻雀知ってそう。
琴音ちゃん:「ロン!地和!大三元、字一色、四暗刻単騎…あの…」
滅殺されそう。パス。
葵ちゃん:知らないよな〜、知ってる訳ないよな〜。それにこの娘にはまっ
すぐ育ってほしーぞ。
雅史:…をひ(--メ)脱がしてどーする?
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ところでマルチ、お前麻雀は知ってるよな?
「はい(^^)!研究所で長瀬主任さん達から教わりました!」
よぉし!そうこなくちゃ(なでなでなで)。"ホームメイド"だもんな、家族麻
雀の相手ぐらいは出来ないといかんよな。
「え〜とd(・・)同じ牌を三枚集めると刻子で、数字がみっつ続いてるのが
順子。これを四組集めて、あとは同じ牌二枚の頭をそろえれば上がりですー。
あと、少牌や多牌だけはやったらダメだって…」
…だんだん不安になってきた…まさか白発中をチーしたりしないよな?
「ええっ(驚愕)!?できないんですかー!?」
ぺしっ。お約束ネタをやりおって。
「セリオちゃん、忙しいのにごめんね。わたしが点数計算とかできればいい
んだけど…」
あかり、点数計算ならオレだって出来るぞ…まあ細かい所になるとちょっと
あやふやだが。
「(しょうがないなぁという顔)だって、浩之ちゃん誤魔化すんだもん」
人聞きの悪いことゆーな!ルールの勘違いは何度か有ったがイカサマはした
事ないぞ!
「でも…お正月に志保と打った時、300点差で二位だったでしょ?」
ああ。雅史にウソみたいに裏ドラが乗ったからな…あれ?二位のオレとは1
万の差だった筈だが?
「違うの。三位の志保との差。浩之ちゃんオーラスでリー棒100点で出して
たよ。夜明け前で誰も気付いてなかったみたいだけど」
「――わかりました。ではこの対局、私が仕切らせてもらいます」
セリオ、助け船ありがと。あかり、その事志保にしゃべるなよ…頼むから。
それからセリオ、サテライトサービス使うんだろ?
「――はい。ほぼ全ての現役プロ雀士、また歴史上の人物でも打ち筋データ
の有る実在の方なら、さながらその人と打っているかのようにお相手する事が
可能です」
もちろん、下手に打つことも出来るよな?
「――はい。接待麻雀の際に、お客様を勝たせねばならない事態も有りうる
という事で、当り牌を推測してわざと出す…」
(お前も苦労してるんだな…)いやそうじゃなくて、下手な奴のデータで打て
るか、ってこと。
「――検索中です…プロ雀士以外のデータは215件が存在します。上はプロ
顔負けからいわゆるタコ、下は超初心者の物まで有ります」
よーし、んじゃプロも含めた全データの中からランダムで決定してくれ。
「――了解しました。……セットアップ完了。データー名は対局終了後まで
隠匿いたします。よろしいですね?」
おっけー。親決めのサイはセリオから振れ。"人造人間スペクター"みたいな
事されたらまずいからな。
親はあかり、南家オレ、西家マルチ、北家セリオと決定。さて、オレの作戦
だが…正直言って無い。タコにド初心者に能力不明と来ては、立てたところで
何にもならない。
もっとも、恐いのはセリオだけだし、それとてあかりとマルチが後先考えな
い哭きで場を引っ掻き回してくれる筈だから、たとえプロが来たとしても勝機
は有る。よーするにテンパイと見たらベタオリすりゃいいんだ。大きいのに振
り込みさえしなけりゃ最低でも二位は確定って寸法さ。
いよいよ洗牌開始。どうせマルチは河を崩すだろーな、とか思っていると…
「あったあぁ!」
突然セリオの叫び声。何が「有った」んだ?とそちらを見上げると…セリオ
の前で牌が次々と積み上がって行く!?それはもう超人的な速度で。
「あ〜たたたたたたたたた!ほあたぁ!!」
呆気に取られるオレ達に向って、セリオは元ネタを解説してくれた…
「――北家百列拳…です」
………………硬直解除。
オレは身を乗り出してセリオの頭を"ぺしっ"とはたいた。
「――あっ(・_;)」
北家ケンシロウは実在の人物じゃない!
セリオさん、まずは一枚脱衣 :D__.. DELTA_WAVE
P.S
これでドヅガン状態に陥ったセリオが最後に脱いだのは耳カバー。直後、
「――(*///*;)み、見ないでください〜(ぷしゅーーー)!!」
おかげでじっくり見られたぜ。