「ね〜ね〜浩之、サテライトサービスで新しいデータの配信が始まったわよ〜」
MH13型の特殊機能、サテライトサービスによる環境に合わせたデータの
ダウンロード…。それによって、セリオはあっと言う間に一流のシェフから
凄腕の家庭教師まで、あらゆる職種のプロフェッショナルになれるのだ。
「へ〜、どんなデータなんだよ? また新しい料理か何かなのか?」
「う〜んとね……とりあえずダウンロードしてみるから、ちょっと待ってね。
25647…で、スタートっと!」
「あん? な、なんなんだよ、その数字は!?」
「うふふ……ひ・み・つ☆」
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ちゃ〜んら〜らら〜 ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ………
「こ、これはっ!!」
ダウンロードが終わったセリオがおもむろにTVのスイッチをONにすると、
何度も聞いたアノ曲の伴奏とBCGが流れてきた。どうやらセリオのアンテナ
からTVに電波を送って曲と映像を表示しているらしい。
そしてセリオはどこから取り出したのか、マイクを片手に歌い始めた。
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「……………キミにと〜ど〜け〜、テレパシィィィ〜」
ワーワー、パチパチパチパチ……………
ご丁寧にお約束の拍手機能まで付いていやがる……。
「わぁ〜、セリオさんとっても上手です〜」
「せ、セリオ………コレは一体ナニ?」
「何って……聞いての通りじゃないのよ。私も、結構イケるでしょ?」
「とほほほ〜」
今日も藤田家は平和だった…。
おしまい