(Leaf Visual Novel Series vol.3) "To Heart" Another Side Story

優しい光に包まれて

Episode : 姫川 琴音

written by ひろぽん



どうしても今夜は眠れない・・・。

あの人のこと、考えてしまうから・・・。

ゆっくりと起きあがり、部屋のカーテンを、静かに開いた。

窓から差し込むのは、きらきらと輝く月の光。

部屋の白い壁が、青白い輝きに染まる。

銀色の雫が私の瞳に落ちてくる。

ベッドの上で枕を抱えたまま、ただずっと月に見入っていた。

何の曇りもない窓ガラスの向こうに浮かぶ月を。

とても眩しいけれど、そっと優しく私を包んでいる。

そう・・・まるで、いつも私の側で微笑んでくれるあの人に似ている。

結ばれるずっとずっと前から見守ってくれてたあの人。

最初は放っておいてくれても良かった、なんて思っていたのに。

でも、でも心のどこかで、頼れる優しい心を探していた。

本当に理解してくれる人を、私の渇いた心を潤してくれる人を・・・。

そして・・・あの日から、二人は同じ道を歩きだした。

その優しい心の光に引き寄せられるように。

お互いに少しずつ、少しずつ階段を登り始めた。

呪縛から解き放たれた私にとって、あの人は私の道しるべ。

この先どんなに辛いことがあっても、私を導いてくれる。

あの月や星の輝きのように、この想いいつまでも輝きにあふれていますように。

かけがえのないあなただから。

どんなに悲しくなっても、私の中に大切なあなたがいます。

あなたがいるから、私は強く生きていけます。

もう暗鬱とした日々は過去のもの。

心地よい優しい光に包まれて、あなたの側に、あなたの胸に、私はいます。

いつまでも、ずっと・・・。

あなたがいるから・・・。



綺麗な月の夜は素直な自分を見つめて。

真実の私、今、優しい光を浴びて輝いている。








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