どうしても今夜は眠れない・・・。
あの人のこと、考えてしまうから・・・。
ゆっくりと起きあがり、部屋のカーテンを、静かに開いた。
窓から差し込むのは、きらきらと輝く月の光。
部屋の白い壁が、青白い輝きに染まる。
銀色の雫が私の瞳に落ちてくる。
ベッドの上で枕を抱えたまま、ただずっと月に見入っていた。
何の曇りもない窓ガラスの向こうに浮かぶ月を。
とても眩しいけれど、そっと優しく私を包んでいる。
そう・・・まるで、いつも私の側で微笑んでくれるあの人に似ている。
結ばれるずっとずっと前から見守ってくれてたあの人。
最初は放っておいてくれても良かった、なんて思っていたのに。
でも、でも心のどこかで、頼れる優しい心を探していた。
本当に理解してくれる人を、私の渇いた心を潤してくれる人を・・・。
そして・・・あの日から、二人は同じ道を歩きだした。
その優しい心の光に引き寄せられるように。
お互いに少しずつ、少しずつ階段を登り始めた。
呪縛から解き放たれた私にとって、あの人は私の道しるべ。
この先どんなに辛いことがあっても、私を導いてくれる。
あの月や星の輝きのように、この想いいつまでも輝きにあふれていますように。
かけがえのないあなただから。
どんなに悲しくなっても、私の中に大切なあなたがいます。
あなたがいるから、私は強く生きていけます。
もう暗鬱とした日々は過去のもの。
心地よい優しい光に包まれて、あなたの側に、あなたの胸に、私はいます。
いつまでも、ずっと・・・。
あなたがいるから・・・。
綺麗な月の夜は素直な自分を見つめて。
真実の私、今、優しい光を浴びて輝いている。