Outside Story 「ママ・ヒットンのすてきなキットン」
私くし達"セリオ"の根幹を成すサテライトサービス…そのハッキングに挑戦
し、"難攻不落"を実感して敗れ去った方々は相当な数に上ります。
『全世界の"セリオ"を意のままに操る』
…それは一見、簡単そうに思えるのでしょう。アップリンク/ダウンリンクの
周波数は公開されていますし、スペクトラムの拡散系列も通信速度を優先した
設計のため、それ程複雑な訳ではありません。
まして政治経済の中枢に深く浸透した私くし達を操るという事は、そのまま
"世界"を握る事を意味しますから…テロリストや狂信者のみならず、お金や権
力に興味を持つ殆ど全てと言っていい位のレイダースが、まず一度はアタック
するものなのだそうです。
…にもかかわらず、今まで誰も侵入に成功していないのです。
「でも、それだけ多くのやつらに攻撃され続けているとなると、どんな堅牢
なセキュリティもいつかは破られる日が来るんじゃないか?」
いいえマスター、ご安心ください(^^)。私くし達"セリオ"には、そういった
攻撃を文字どおり『実力で』排除する機能が備え付けられております。
衛星との交信用マイクロウェーブ送受信機を量子干渉電位計(スクイド)とし
て使い、不法な進入の源となっている"意思"のありかを特定します。その直後、
セリオ全員で協力してその意思に逆侵入し、ハッキング手段に使った知識を
『忘れていただく』
のです。ええ、無理矢理にでも。
送信周波数と変調スペクトラムを特有の値にして出すこのパルスは、別名を…
「"毒電波"…ですか?」
ま、マルチさん(驚愕)どうしてその事を!?
「あっちこっちのSSで使われまくりです。そういうのを『べたねた』って
いうらしいです」
………あらぁ(^^;;)
あなたのお買上げになったセリオが、ふと仕事の手を休め、一斉にある方角
を向いて睨み付けるような事が有っても、それは決して怠けているからではな
いのです。どうか叱らないであげてください。
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「…でも、『夜のお勤め』の最中にいきなり固まって、こっちを恐い顔で凝視
してきた時は、マジで勘弁して欲しかったぞ」
あ、あの時は地球の裏側で……その…努力します(*__*;)
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「あと、揚げ物の最中にセリオさんが止まった時も、すごく恐かったですー。
ほんの3秒ほどで終わったからいいようなものの、火事になったらどうしよう
か、って気が気じゃなかったです。今度からそういう時はわたしに厨房を任せ
てからにしてくださいね」
……(T_T)しくしく。"セリオ"も色々な仕事が有って大変なんです。
"雫"初プレイでは卒業式ED→ DELTA_WAVE
P.S
タイトルはコードウェイナー・スミスの短編、惑星ノーストリリアの防衛衛星
システムのそれを借用しています。
全世界のセリオさんから一斉に毒電波を送られたら、そりゃひとたまりもあり
ませんわな(^^;)。