悪夢・・・・自業自得と逃げた浩之のせい
(ここは?)
綾香は見たことのない場所に立っていた。
妙な洋館の前。そしてあたりにはゾンビがうようよと歩いていた。
(んん?!・・・ゾンビぃ?!)
綾香はもう少し目を凝らす。
やはりゾンビだ。
「・・・・・・」
そして綾香の足下に真っ黒な猫が一匹ごろごろと綾香に甘えてくる。
「ねぇ、もしかして姉さんなの?」
さすがに姉妹なのでこういうことに勘が働く。
こくこく
猫なので違和感があるが、どうやら芹香らしい。
「とりあえずここはどういう世界なの?」
「・・・・・」
「は?私の夢の中ぁ!」
綾香はぐるりと周りを見回してみる。
「私の心ってこんなに殺伐としてるの?」
ふるふる
芹香猫は首を横に振る。そしてぽそぽそと説明をはじめた・・・
「・・・・・・・・・・」
「つまり、夜見る夢がこの世界なのか・・・・」
そういえばちょっと前までバイオハザードをやっていたのだ。夢に出てきてもおかし
くはない。
姉の説明によれば、この世界は夢の中であるのだが、自分の意識が残っている状態な
ので怪我をしたりすると現実にも影響が出ると言うものである。
影響時間は12時間、つまり綾香はこの世界で12時間過ごさなくてはならないのだ。
「ぬおぉ、浩之ぃ月曜日覚えてらっしゃぁいぃぃぃぃぃ!」
綾香の絶叫が辺りに響きわたった。